迷子になるのは、宇宙で自分がいま宇宙のどこにいるのかが分からなくなるからです。
だから地球上の管制センターと探査機のコンピューターに
1 地球上の管制センターから見てどの方向にいるか
2 管制センターからどれくらいの距離にいるか
の2つのデータが、しっかりとインプットされていなければなりません。
1については地上の追跡アンテナといつも連絡を取りあっていれば、アンテナの向きによって、宇宙のどの方向にいるかをいつも知ることができます。
2は、地上のアンテナから電波を出して、それを受け取った探査機が電波で返事をくれれば、その電波の往復時間に電波の速さ(1秒間に約30万㎞で光の速さと同じです)をかけたら距離が計算でき、その距離の半分がアンテナから探査機までの距離ですね。
探査機は、宇宙の中で自身の軌道をコンピューターで厳密に計算しています。
エンジンを噴かしたりすると軌道も変わるので、そのたびに地上と連絡しながら、軌道を常に把握できています。ただし、アンテナで追跡する方法では、機械の性能に限界があるので、探査機の位置を表すデータの値に一定の誤差が生じるので困ります。
はやぶさ2がリュウグウの位置を見失わないためには、その誤差を、アンテナでつかんだ「はやぶさ2」自身の位置を、カメラで撮影した景色をもとに修正する独自の方法をとっています。恒星の位置は非常に正確に知られているので、写真の背景に映っている恒星のデータを基にして、正確に計算します。これは初代「はやぶさ」で編み出した日本の得意技です。
〈まとめ〉
宇宙で迷子にならないわけが少しわかったでしょうか。
人間でも小さいときはお母さんやお父さんがいつも見守ってくれないと、すぐに迷子になってしまいますね。そのお母さんお父さんの役割を、地上の管制センターが果たしているわけです。
疑問な点があればまたお便りください。
